日本大学

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研究?社会連携

研究の特色

総合大学としての研究力を活かした多彩な研究活動を展開し、最先端の研究成果を学生の教育や社会に還元しています。

日本大学は多くの学部学科をはじめ、20の大学院研究科と32の研究所を擁し、総合大学としての研究力を活かした多彩な研究活動を展開しています。科学研究費助成事業の獲得や、企業などとの連携により外部から研究資金を導入し、学生に高度な教育?研究環境を提供しています。学部学生が研究のアシスト役として研究プロジェクトに参加することもあり、最先端の研究を肌で感じることができます。さらに、提携企業との新製品の開発や製品改良などを推進することで、日本大学の研究成果を社会に還元しています。

全学横断的な学術研究の促進?高度化により日本大学発イノベーションを推進

日本大学では、文部科学省が私立大学の優れた研究を支援する「私立大学学術研究高度化推進事業」及び、「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」において、2014年度までに計65件の研究課題が選定されました。特に、2013年度に選定された理工学研究所の「超短時間光?物質相互作用の理解?制御が切り開く新材料?物性?デバイスの探索と創生」は、2009年度から2013年度まで実施した本学独自の大型研究プロジェクト「研究プロジェクト」の支援を受けた事業です。この「研究プロジェクト」の研究成果を幅広く社会に発信するため、2015年9月下旬にJMOOCの大学講座を開講し、研究内容を簡単に分かりやすく解説する予定です。

また、総合大学としての多様な研究領域が相互に連携することにより、隣接領域における研究体制の充実を図り、「学部連携研究推進シンポジウム」が実施されています。さらに2012年度より、日本大学が研究成果を広く社会に活用する理事長特別研究、次の世代をリードするために重点領域を定めて推進する学長特別研究が年間1億円の規模で行われています。

特に、理事長特別研究の「電力削減と教育環境整備の両立を目指した省エネルギー型キャンパスの創成に関する総合研究」は、再生可能エネルギーと省エネルギーのための技術に関する研究資源を活用し、実用化を進めることを目的として、2012年度から2014年度まで支援を受けた総合研究です。2015年度はその研究成果を活用し、省エネルギー型のキャンパスを創成する取り組みを進めています。

文理学部 「こうだったのか!」生涯を通じての財産となる、学びの喜びを知る経験

ゼミ生が、さらに一歩踏み込んだ研究ができるようにアドバイスゼミ生が、さらに一歩踏み込んだ研究ができるようにアドバイスいつも笑顔の中村先生いつも笑顔の中村先生

文理学部は、「文」と「理」の融合を特色とし、人文系?社会系?理学系の3系統18学科の複合学部のメリットを活かし、総合的?学際的な教育を行っています。多様な学問を広く学びつつ、演習やゼミナールでは専門的な研究ができます。
たとえば、社会学科の中村英代准教授のゼミナールでは、「現代社会を生きる私たちの生きづらさ」をテーマに、ゼミナール生それぞれが研究を進めています。日本の結婚制度や少子化問題、オンラインゲーム依存の若者や対人恐怖症の若者の考察、大学生の恋愛観などテーマは多様です。
このゼミナールの学びの特色は、問題となる現象を社会学的に考察するだけではなく、さらに一歩踏み込んで、それらの問題をいかに社会レベルで解決していくかまで考察する点にあります。
また、研究の集大成である卒業論文を執筆することで、調べ?考え?書き?問題を解決する力が養われます。しかしそれ以上に、研究のプロセスでは「こうだったのか!」という発見の瞬間を経験できます。学びの喜びを知る経験は、どのような未来を歩む方にとっても生涯を通じての財産となるでしょう。なお中村ゼミナールでは、ゲスト講師として、薬物依存者の支援に取り組まれている元薬物依存者の方などもお招きし、支援現場の現状も学んでいきます。
研究だけではなく、BBQやボーリングなどを企画したり悩みを相談しあったりとゼミ生同士の交流も活発です。文理学部の学生たちは「学び?遊び?助け合い」、大学生活を充実させています。

生産工学部 「歴史番組と数理情報工学科の関係?!~TV番組を介した歴史家と学生との出会い~」

関ヶ原の戦いを再現した戦国FUSE の開発メンバー(古市先生:左から2番目)と歴史家の小和田先生(1番左)関ヶ原の戦いを再現した戦国FUSE の開発メンバー(古市先生:左から2番目)と歴史家の小和田先生(1番左)小早川秀秋が寝返らなかったら、関ヶ原の戦いは西軍が勝利したのか?歴史学者と数理情報工学が出会ったら、こんな番組ができました小早川秀秋が寝返らなかったら、関ヶ原の戦いは西軍が勝利したのか?
歴史学者と数理情報工学が出会ったら、こんな番組ができました

数理情報工学科の学生は全員1年生からプログラミングを学んでいるため、2年生の中にはスマホ用アプリを開発してリリースする学生や、3年生になると本格的なシステムを開発して学会などで成果を発表する学生がいます。就職先の多くはIT系企業ですが、ゲーム開発や映像制作をはじめ、高等学校の数学または情報の教員になる学生も多く、数理情報工学は卒業生達を媒介として様々な分野に浸透しています。
そんな中、NHKの歴史番組“覇王伝説”(2014年1月放映)、“英雄たちの選択~関ヶ原の戦い”(2014年7月放映)、“英雄たちの選択~三方ヶ原の戦い”(2015年3月放映)で使われたのが、本学科の学生達が研究の一環として開発した“戦国FUSE”というソフトウェアです。
本システムは、戦国時代の戦いなどを研究対象とされている歴史家の方の研究支援を目的としたシステムで、戦国時代の武将の意思決定の仕組みを数理モデル化し、それに基づいた行動(戦い)をコンピュータ上で再現するソフトウェアです。本システムは、元々大規模災害時の避難誘導及び指揮官の意思決定訓練で用いるために大学院の学生が開発したもので、現在は学部の学生が引き継いでいるものです。これを、TV番組の制作会社から数理情報工学科でモデリング&シミュレーションを研究している先生にかかってきた一本の電話がきっかけとなり、約1か月間で学生達が一丸となって開発したのが、戦国FUSEです。以下、その先生のお話しを元に開発秘話を紹介しましょう。
その電話は、全くもって突拍子もない内容のものでした。「徳川家康と武田信玄の戦いをコンピュータ上で再現できますか?」「当学科は数理情報工学科であり、歴史を研究している先生はおりません。歴史のコンピュータゲームを開発しているゲームメーカーに相談したらいかがですか?」これに対して、番組制作者は「歴史家の小和田先生を今度研究室へお連れします。歴史家の方と数理情報工学と一緒になって、番組で用いるシステムを開発していただきたいのです。是非とも一緒にやりましょう!」と説明を受けた後、番組のためのソフトウェア開発が始まりました。
開発に携わった学生は、番組収録1日目に、研究室へ来ていただいた小和田先生から戦国時代の武将の戦いに関して講義を受け、高校時代に学んだ日本史の知識を頼りに徳川家康と武田信玄及び配下の武将達の行動モデルを次々と作り上げていきました。行動モデルとは、武将の意思決定の仕組みをコンピュータ上に作り上げたもののことで、たとえば「忠誠心の低い武将は、味方が劣勢となると敵に寝返る」、「統率力の低い武将の部下は、味方が劣勢となると逃げる」等々、このような特質を次々とプログラムしていきました。
約1か月後の番組収録2日目、何日もの研究室での徹夜作業を経て、戦国FUSEは完成、そしてカメラが回る中で、実際には行われなかった戦い「徳川家康と武田信玄の戦い」がコンピュータ上で実行されました。その戦いの推移を見て小和田先生が言った一言、「こんな事がコンピュータでできるんだね。」これを機として、その後さらに後輩の学生達を巻き込んで“英雄たちの選択”で2つの戦いを再現しました。
このように、世の中ではさまざまな事がきっかけとなって新しい出会いがあり、その中から世の中に役立つ何かが生まれてきます。特に、数理工学?情報工学?メディアデザイン工学が一体となった数理情報工学科だからこそ、戦国FUSEのように、歴史家の方と数理情報工学との出会いが実現できました。
また、ものづくりを基本とする生産工学部では、学生たちによる研究成果が世の中に出ることを積極的に勧めています。戦国FUSEの成果は、TV番組が媒介となって歴史に興味のある多くの皆さんに観ていただくことができました。研究室では引き続き改良を続けており、次はどの戦いを再現することになるだろうと、学生達は歴史の研究書を読みながらプログラム開発を続けています。

松戸歯学部 歯ぎしりを解明する

手指の握りしめを行った時の脳活動手指の握りしめを行った時の脳活動歯の噛みしめを行った時の脳活動歯の噛みしめを行った時の脳活動

人が行う行動のほとんどは意識的ではなく無意識に行っています。たとえば、この文章を読んでいる時に足を組んでいる、または頬杖をついているとしたならば、その行動も無意識下で行っているはずです。口の動きにおいても無意識下で生じている運動の1つとして「歯ぎしり」があります。歯ぎしりは睡眠時のみではなく覚醒時にも生じる非機能的な顎の運動です。この非機能的な運動が不良習癖として顎の痛み(顎関節症)や歯の摩耗などを引き起こす一因と考えられています。
しかしながら、歯ぎしりが生じる理由と発現機序に関しては、神経生理学的な中枢の因子と歯の接触などの末梢の因子が考えられていますが、この動作が生じる理由とメカニズムに関しては未だに明らかにされていません。松戸歯学部顎口腔機能治療学講座では歯ぎしりが生じるメカニズムの解明、そして歯ぎしりを停止させる画期的な治療方法の確立を目指して研究を進めています。その手法を2つに大別すると、中枢における歯ぎしりに関係する脳活動の検討と末梢における歯ぎしりの行動メカニズム解明に分けられます。
現在までに当講座では、歯ぎしりにおける顎の動きの特長である歯の噛みしめ時における脳活動について検討を進めてきました。機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いた研究では、手指の握りしめと歯の噛みしめ中の脳活動の違い、歯の接触が脳活動へ及ぼす影響、噛みしめ強度の違いが脳活動へ及ぼす影響について解明してきました。また、人が日々歯ぎしりを行うことを想定して、被験者が継続的に歯の噛みしめを行うことが中枢に及ぼす影響を検討し、継続的な歯の噛みしめ行為が脳の神経レベルにおいて変化を引き起こしていることが示唆されました。
以上のように、現在までに歯ぎしりに関する脳活動についてさまざまな実験を行ってきました。しかしながら、これらの知見のみでは歯ぎしりを無意識下で生じるメカニズムを解明したとはいえませんので現在も更なる検討を進めています。

歯ぎしりを生じた回数が測定可能な装置歯ぎしりを生じた回数が測定可能な装置

機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いた測定機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いた測定