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大学概要

学長メッセージ

酒井 健夫 酒井 健夫

 この数年間に本学で生じた不祥事につきましては、在学生や保護者のみなさま、卒業生のみなさま、そして現場の教職員みなさまの心をひどく痛めることとなりました。一部の経営側の専横に起因するものではありますが、教学の責任者として、ここにあらためて、お詫びを申し上げます。
 これまで、本学では、学内外の声に耳を傾ける風土が欠如していたと思っております。学内外からの助言?指導を積極的に求め、それらを真摯に受け止めながら、説明責任を適切に果たし、開かれた大学へ、教学優先の大学へと転換を図ります。
 
 学生?生徒が自ら学び、自ら考え、自ら道をひらく「自主創造」が本学の教育の柱です。自主創造に基づく教育をより確かなものとし、教職員が自主創造を体現しながら教育?研究指導にあたることこそ本学復興のカギであると考えます。そこで「日本大学ルネサンス計画」を提唱し、自主創造の精神と伝統を前提とした「教学優先の復興」を進めてまいります。
 
 ルネサンス計画を実行する上でコアとなるコンセプトは、教学における「個」の尊重と、総合大学としての「全」の一体感の創出です。学生?生徒については、一人ひとりの個に合わせた指導をさらに充実させ、ICTを活用しながら学修成果の可視化を進め、多角的な「オーダーメイド型サポート」を行ってまいります。学生?生徒と教職員が自主創造を実行できるゆとりを創出し、各部科校の教育の質向上へとつなげます。また部科校の自主性を尊重し、部科校間の競争と協調の中でボトムアップによる本学全体の底上げを図ります。
 
 日本大学全体としての一体感や総合大学のスケールメリットもしっかりと形成してまいります。教育DX(デジタル?トランスフォーメーション)を進めて分散型キャンパスのデメリットを解消しながら、他大学にはない唯一無二の教育?研究の基盤を速やかに再構築いたします。一体感の創出について学部教育を例に述べると、まず全学共通の授業科目や教育的取り組みのさらなる推進です。初年次の「自主創造の基礎」は1万5000人を超える学生が一つの授業を受けており、こうした例は本学以外にありません。この科目に限らず「日本大学生」「日本大学の教職員」というアイデンティティを涵養できる取り組みをさらに進めてまいります。
 
 既存の枠にとらわれない横断的、学際的な教育?研究も推進します。社会では「総合知」が求められていますが、これは豊かな人材がそろっている本学が最も得意とするところです。資格や免許の取得についても、学部の枠を超えた全学的なサポートを行います。また競技スポーツも含め、部活動やサークル活動、その他正課外の学生活動についても、教育活動の一環として、支援を行っていきます。
 
 教学主体の復興の実現には、内部質保証体制の実質化が不可欠です。現在、本部ならびに各学部には委員会が設置され、体制づくりが進んでおりますが、大学の設置基準や認証評価において、質保証への要請はますます高まるばかりです。
 特に、大学認証評価については、日本大学は現在、「不適合」という非常に厳しい評価を受けております。私立大学ガバナンスコードの達成度についても同様です。新機軸を含め、教学施策を単に掲げて実行するだけでなく、教学データの集約を通した分析?検証体制を構築し、本学の教育上の長所の強化と改善につなげてまいります。
 
 本学に対する社会の評価は、今なお厳しい状況にあると認識しております。私は、この苦境を変革の大きな契機ととらえ、前向きに、そしてひたむきに、復興を進めてまいります。
 不祥事関係者との決別は、新体制においても継続し、従前にも増して厳格に対応いたします。公共性と公益性の高い「学校法人」としての立場を再認識し、本年4月に制定しました「日本大学行動規範」を遵守しながら、あらゆるステークホルダーそして社会のみなさまに信頼いただけるよう、教学?経営が車の両輪となって復興に向けて、スピード感をもって取り組んでまいります。みなさま方のご指導とご支援をお願い申し上げます。